2001年9月11日に起きた同時多発テロ事件から今日で10年。NYで間近に見た世界貿易センターが崩れる時に感じた恐怖が鮮明に思い出されます。「明日何が起こるかわからない」という不安からくる恐怖に悩まされたあの日。政府の発表をそのまま信用していた。今となってはそんな自分が恐ろしい。その1ヶ月後にはアメリカによるアフガニスタン侵攻が始まり、2003年にはアメリカがイラク戦争を強行。結局、大義名分となった大量破壊兵器が見つからなくても、「やっちゃったもんはしょうがない」と言わんばかりに責任も問われない。今もアフガニスタン、イラクではテロが続き、何十万人もの市民が犠牲となり、事実上内戦状態。その間、イスラム教徒への差別や誤った逮捕などで反米感情は高まるばかり。。アメリカ経済は下降の一途を辿り、それに対する不満のはけ口となっている罪のないイスラム教徒たち。10年間で秩序が失われた地で育まれたのは新たなテロリストの温床。それがこの10年で明らかとなったにもかかわらず、まだ世界は混迷の最中。
考えれば考えるほどモヤモヤしてしまう。あの日を境に暗闇を手探りで歩くような終わりなき問題と向き合うこととなってしまったけれど、世界に対する見方を変えてくれたのは確か。微力ながらも学び得たことをよりよい未来づくりに反映していくことが残された者に課せられた使命なのだと感じます。