作家、伊集院静さんのエッセイをまとめた”大人の流儀”。ゴルフにお酒にギャンブルとあまり共感できない話題が多いなぁと思うも、著者の飾らないところがまた”大人の男”たちにウケているのかもしれませんね。口調も歯切れがいいし!新成人への御言葉も、ごもっとも。
忘れないようにメモっときます↓
(以下抜粋)
1。すぐに役に立つものを手にして、何かが上手く行ってると思うな。すぐに役に立つものはすぐに役に立たなくなる。
2。金をすべての価値基準にするな。金で手に入るものなどたかが知れている。金を力と考える輩は、さらに大きな金の力で、あっという間に粉々にされる。金と砂と同じだ
3。自分だけが良ければいいと考えるな。
4。世界を見ろ。日本という国がどれだけちいさく、外国からどう日本人が見られているか。将来、この国はどうなって行くのかを自分で考えるんだ。
5。神社、寺で手を合わせた経験があるなら、キリスト教、イスラム教、仏教を学んでおくことだ。そこに今の世界観の出発点がおうおうにしてある
6。他人を見てくれで判断するな。自分の身形は清潔にしておけ。
7。20歳から酒を飲めるようになるが、乱れるな。愚痴るな。品の良い酒を覚えろ。
8。周囲の人を大切にしろ。家族、友、恩師...
また、最後の”愛する人との別れ”の章で妻、夏目雅子さんと暮らした日々について語られていて、愛する者を失う悲しみとそれを経験し、人間の己ではどうしようもできないことが一生で起こり得るということを悟り、何とか生きてこられた様子が真摯に伝わってきました。
最後に締めくくられている映画のセリフ↓も印象的。
”あなたはまだ若いから知らないでしょうが、哀しみにも終わりがあるのよ”