今回紹介させていただくこちらのチャールズ・エリス著の”敗者のゲーム”では投資で勝つための手段やテクニックではなく、投資家としての基本姿勢のような内容が書かれていました。それは”投資”に限らず、人生哲学にも通ずるような考え方でエリスさんの御言葉の中で印象に残った箇所を下記にまとめてみました↓
”投資で成功するうえでの最大の難関は、頭を使うことではなく、感情をコントロールすることである。マーケットという、きわめて情緒的な環境の下で、冷静で合理的であり続けるのは決して容易ではない。(中略)アダム・スミスも述べているように、「自分というものをきちんと理解してなければ、投資で成功できるはずはない。」”
→確かに何事も衝動的に行動するとろくな事はないと思います。人間である以上、感情的にならないことは難しいですが、どういう時に自分が衝動的になるかを学べば衝動的な行動を防ぐことができるとこの本を読んで感じました。
”どのような投資家にも得意分野があり、また「冷静でいられる投資範囲」がある。この両者が交わる範囲でポジションを取るべきである。何が起きても「冷静でいられる範囲」を逸脱してはならない。感情的になっては投資での成功はありえないからだ。防御は最大の攻撃である。まずは自分の長所と弱点を知り尽くしていなければならない。冷静な判断を下せなくなるような状況を招きかねない投資をしてはならない。自分のお金なのだから、使い方には慎重に決めるべきである。”
→投資においてもまず、自分を知ることが大事なんですね。。
”平均以上の市場リスクを取ることにより、平均以上の収益を得ることができる。”
→リスクを恐れて安定志向の道ばかり選んでてもそれ相応の人生しか歩めないということにも繋がると思いました。何か本気で人生において成し遂げたいことが見つかれば時にはリスクを取る事も大事。でもちゃんとそのリスクによって最悪のケースになっても大丈夫かシミュレーションしておくことが前提だと思われます。
”長期投資家は、経済指標や株価などが、一般にはつり鐘上の正規分布に沿った形で現れ、長い目で見ればそれらを「平均値に回帰させる」ということを経験から知っている。”
→株価が上がったり下がったりしても結局平均値に回帰するように、人生も有頂天になるようなことや絶望的になるようなことがあっても、結局は+、−で平均値に落ち着くのだから、その平均値が年々、少しずつでも上がり調子で自分の目標に近づいていればよくて、一時的なアップダウンに一喜一憂することはない、と感じました。
”投資家は投資目的の確認・設定、そのファンドの性格に合った適切な長期投資政策の作成を通じて、運用機関にその投資政策に沿った運用を実行させる、という権限を明確にし、十分にその責任を果たすべきなのである。”と、最後は投資家としての責任を受け入れ、運用を神頼みにせず、その運命の舵取りを自ら引き受けましょう、というメッセージで締めくくられています。それは、自分の人生の目的をしっかり定めて、他人に委ねず、何事も自己責任で人生をコントロールしていかなかればならない、というメッセージとして受け止めました。
この本を読んで、マーケットというのは自己が問われる世界だな、と感じました。